夏の終わりの線香花火
あとわずかで夏休みも終わろうとしている8月後半、
高校生の娘の友人4人がお泊りにやって来ました。
朝から部屋の掃除をしたり、シーツを取り換えたり・・・・・
来客の到着を前に、娘はアレコレ準備に大忙し!
(結構楽しそう)
かいがいしく動いている姿を見ていると
「やっぱり女の子なんだなぁ」と嬉しくなります。
午後、お友達到着。
それぞれに気を使ってお土産を持ってきてくれたり、
花火を買ってきてくれたり・・・・・・
一体何を話しているのやら?
茶の間から、それは楽しそうなキャハハハ笑いが聞こえてきます
(老いも若きも、女子はお喋り好きですね~)
娘の話では
「今日は花火をして、DVDを観て、ゲームをやって、
いっぱ~いトークしまぁす」
とのコト。
夕食を済ませると早速花火を手に河川敷へ出掛けてゆきました。
庭ではツクツクボウシが夏の終わりを告げるかのように鳴いています。
そういえば私も子供の頃は、
お盆に花火を買ってもらって母の実家へ出掛け、
沢山のイトコ達とワイワイガヤガヤ、
お泊りをするのがとても楽しかったっけ・・・・・
(母の時代、兄弟が6~7人は当たり前でイトコも多かった)
日中は鬼ごっこや水遊び、駆け回って喉がカラカラになったら
手押しポンプをゴンゴン押して ちべたい井戸水をゴクゴク。
蛇口の下の使い込んだアルマイトの たらい にはスイカが冷やしてあって
おばあちゃんに大きく切ってもらって食べた美味しさは、今も忘れられない・・・・・・。
「誰が一番遠くまでスイカの種を飛ばせるか?」
・・・・・・・純真なあの頃は 種飛ばし だけでも遊べました。(笑)
夜は浴衣を着せてもらって盆踊り、
そして帰ってきたら皆で花火をするのが定番でした。
最近は色々変わった花火も沢山あるようですが、
私は昔ながらの線香花火が好き。
目を見張るようなスター性は無いけれど、
火薬のにおいと共にジュッと丸い火の玉が出来、
細い火花がはじけ、次に小さな形状から想像できない程
大きな光の矢束が二段、三段と破裂。
・・・・・・・やがて静かに幕を閉じる。
儚くて、粋で、艶っぽくて・・・・・とても詩的でドラマティック。
戦前の物理学者であり随筆家・俳人でもあった寺田寅彦は
短編集「備忘録」(びぼうろく)で、
線香花火を誕生から終焉(しゅうえん)までの人生に例えています。
「蕾(誕生)→牡丹(青春)→松葉(結婚、出産)→散り菊(晩年、余生)」。
何気ない事がキッカケで
急に昔の記憶がよみがえるコトがあります。
今回、私に懐かしい思い出を呼び覚ましてくれた娘とお友達。
闇夜の中、楽しい笑い声と共に帰って来ました。
この子たちもいつの日か、
今日の事を懐かしく思い出す日が来るのでしょうね。
その日まで、皆が幸せでありますように・・・・・・・。
※余談ですが、
さだまさしのアルバム「帰去来」(ききょらい)に収録されている
「精霊流し」の歌詞の中に、線香花火の一節があります。
何度聴いても目頭がうるっとなる名曲です。
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